岩沼diary
【岩学(いわがく)・農(の)・ダイアリー VOL.6】 令和5年12月28日(木)
農閑期 ~Part3 ビカクシダ~
秋冬野菜の収穫・販売が一段落し、生徒は冬期休業に、農場は農閑期に突入しました。
1年生の農業では、これまでの野菜や花の栽培に加えて、ビカクシダの生産を行う予定です。
ビカクシダは、世界中の熱帯地域(アフリカ、東南アジア、オセアニア、中南米)に分布する着生シダ植物で「コウモリラン」とも呼ばれています。「コウモリラン」と呼ばれる由来は、垂れ下がる葉を「羽ばたくコウモリ」に例えたものだと言われています。
自生地では樹木に根を張り、くっつくように生きています。国内では、板、コルク、へご等の着生材に仕立てて栽培し、インテリアグリーン(室内の観葉植物)の1つとして、都市部を中心に愛好家が増えています。
さて、農閑期に室内でできる授業として考えたのが、ビカクシダの生産でした。ビカクシダの胞子を培養し、前葉体(胞子体)を作出できれば、冬季でも生産・販売が可能です。また、本校の工業(木工)とタイアップすれば、培養物を貼り付ける板を自前で作成することもできます。培養期間は長いものの、仕立てた様のインパクトや存在感から行く行くは学校を代表する作業製品になるものと考えました。
先日、宮城県環境生活部保健環境センター微生物部より低温恒温器を入手しました。これまでは、人体の腸内細菌の培養試験に使われていたもので、新しい機器に更新するとの情報をゲットし、譲り受けたものです。
12月中旬、2種のビカクシダの胞子培養を開始しました。茶こしで不純物を取り除き、胞子のみを培養土にふりかけました。また、雑菌の繁殖を防ぐために、殺菌剤を散布してから低温恒温器に入れました。
生産が軌道に乗れば、今後は人工交配を実施し、本校オリジナルの品種作成にも挑戦したいです。